当院の根管治療

好きな食べ物を思い切り味わえることは、心と身体の健康に直結する大切な要素です。その土台となるのが一本でも多くご自身の歯を残すことであり、確実で丁寧な根管治療が欠かせません。

当院では10年以上（※）にわたり数多くの根管治療を手がけてきた院長が、すべての症例を担当。培ってきた知識と技術を基に、患者さま一人ひとりの歯の状態に合わせた処置を心がけています。

しかし経験だけに頼ることはありません。日々進歩する治療技術に対応するため、院長自らセミナーや研修会へ積極的に参加。新しい知見や治療法を柔軟に取り入れながら、技術の研鑽を重ねています。

豊富な臨床経験と、常に学び続ける姿勢。この両輪で、患者さまが安心して治療を受けられる環境を整えています。

※2025年現在

根管は髪の毛よりも細く、複雑に枝分かれしているため、従来の平面的なレントゲン写真だけでは全体像を正確に把握できない場合があります。

特に曲がりくねった根管や、隠れた分岐部分を見落とすと、治療の成功率に大きく影響してしまいます。

こうした課題を解決するため、私どもは必要に応じて歯科用CTを活用。3次元画像診断により、根管の立体的な形態や、通常のレントゲンでは発見困難な病変まで詳細に確認できます。

平面画像では影に隠れていた根管の枝分かれ、骨の中に潜む炎症の範囲、歯根の亀裂なども鮮明に映し出されるため、見落としのない精密な治療計画を立てられるのが大きな利点です。

再発リスクを最小限に抑え、成功率を高める丁寧な診断。複雑な症例にも自信を持って対応できるよう、歯科用CTを活用しています。

根管治療が失敗する原因をご存知ですか？

それは「治療中の細菌感染」です。どんなに丁寧に神経を取り除いても、唾液中の細菌が入り込んだだけで、再び痛みや腫れが生じる原因に。結果、もう一度同じ治療を繰り返すことになってしまうのです。

この悪循環を断ち切る切り札が「ラバーダム防湿」。治療する歯だけをゴムのシートで完全包囲し、清潔な環境を作って処置する方法です。

さらに、鋭い器具からお口の粘膜を守れる利点があったり、細かい削りカスや苦い薬液が喉に流れ込む不快感から解放されたりといったメリットもあります。万が一、小さな器具を落としても、ゴムのシートがキャッチしてくれるので誤飲の危険も少なくなります。

「面倒でも省略しない」この当たり前の積み重ねが、患者さまの笑顔につながると私どもは信じているのです。

歯の神経が通る根管の形は、人によって千差万別です。まっすぐな管もあれば、S字にうねる迷路のような管もあります。

この迷路の奥深くに潜む細菌を、どうやって完全に取り除くか？その答えが「ファイル」という極細の清掃器具の選択にあります。

多くの歯科医院で使われているステンレス製ファイルは、確かに丈夫で安価ですが、致命的な弱点があります。硬すぎるのです。曲がりくねった根管に無理やり挿入すれば、大切な歯の内壁を削りすぎたり、最悪の場合は穴を開けてしまうことも。かといって慎重になりすぎると、カーブの奥に細菌が残り、数年後の再発につながります。

そこで当院が選んだのが「形状記憶合金」の技術から生まれたニッケルチタンファイルです。

まるで生き物のようにしなやかに変形し、どんなに複雑な根管の形にもぴったりフィット。根管を傷付けることなく、隠れた細菌まで一掃できる優れものです。価格は従来品の数倍で、正直、経営面では厳しい選択です。

しかし考えてみてください。今ここで手を抜けば、数年後にあなたが痛い思いをすることになる。だからこそ私どもは、目先の利益より長期的な成功を選ぶのです。

歯の神経まで細菌が侵入してしまった場合、歯を残すために根管治療が必要です。この時、根管内で感染が起こると激しい痛みや炎症の原因を作ってしまいますので、徹底的な処置が求められます。

しかし根管は人によって形が異なり、複雑に枝分かれしているのが厄介な点。従来の器具だけでは、入り組んだ奥深くに潜む細菌を完全に除去することは困難でした。

そこで当院は、通常の清掃・消毒に加えてレーザー治療を併用。レーザー光は複雑な根管の隅々まで到達し、器具が届かない微細な部分の細菌も効率的に殺菌できます。目に見えない病原菌にもしっかりアプローチできるのが大きな強みです。

この徹底的な殺菌により、根管内を限りなく無菌状態に近づけることが可能に。再感染・再発のリスクを大幅に低減し、治療の成功率向上につなげています。大切な歯を守る治療だからこそ、確実性を追求した処置を心がけています。

根管の清掃を終えたら、いよいよ最後の工程です。根の先端（根尖：こんせん）まで、薬剤をしっかりと詰めていきます。

ここで注意が必要なのが「空洞」です。もし根尖まで薬剤が届いていないと、その隙間で細菌が再び増殖し、痛みが戻ってくる可能性があるのです。

根管は想像以上に細く、曲がりくねった形をしています。この複雑な空間に、隙間なく薬剤を充填するのは簡単ではありません。まるで針の穴に糸を通すような繊細さが求められます。だからこそ「きちんと詰まっているか」の確認が欠かせないのです。

当院では薬剤を充填した後、必ずレントゲン撮影を行っています。レントゲンでは薬剤が白く映し出されるため、根尖まで到達しているか、空洞が残っていないかを目で見て判断できるからです。

この最終チェックを丁寧に行うことが、痛みの再発や再治療を防ぐ鍵です。

治療後2〜3日は、違和感や軽い痛みを覚える場合があります。これは組織が反応している正常なサインで、通常は少しずつ落ち着いていきます。ただし、それ以上痛みが続く、気になる症状があるといった際は、どうぞ遠慮なくご連絡ください。「こんなことで連絡していいのかな」なんて遠慮は無用です。